君は道具ではなく、その名が似合う人になるんだ
じつは、私は結構アニメを観ます。
アニメというと色々誤解される方もいますが、結構シリアスで考えさせられるいいアニメってたくさんあると思ってます。
私は小学生から大学生くらいまで、ずーっとアニメを楽しみながら生きてました。
社会人になって見る暇がなくなり、10年ブランクが空いて、アニメ好きな夫と付き合うようになってまたちょくちょく好きなものだけ見るようになりました。
夫からはCLANNADやシュタインズゲート、SHIROBAKOなんかを勧められて、良い意味でヘェ〜っ(イイじゃん!)と思った記憶があります。
毎クール、これは!と思う作品があったり無かったりですが、タイトルにした言葉は「バイオレット・エヴァーガーデン」という作品のなかに出てくるセリフです。
主人公のバイオレットは幼い頃から軍人として、兵器として育ち、感情を持ちません。戦争が終わり、彼女に残ったのはずっと付き従ってきた少佐からの「愛してる」の言葉だけ。少佐からの次の指示はありません。「愛してる」という言葉がなんなのか、どういう気持ちなのかも彼女には分かりません。
彼女は自動手記人形になり、文字が書けない人に替わって手紙を書く仕事を通じて人間の感情を理解してゆきます。
このアニメは作画のクオリティが非常に高く、放送開始前から気になっていましたが、ストーリーも音楽もとても良くできているなぁと感心しています。
戦後の復興に向けた世界で少女が仕事を通じて人間の感情を理解し取り戻してゆく、という意味では、お仕事ものにも通じるところもありますかね。
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バイオレットは少佐からその名前を貰ったわけですが、私も今まさに、お腹の息子君の名前を考えている真っ最中。
名付ける方は、程度の違いこそあれ、何らかの願いみたいなものを込めて名前を付けますよね。
小学生くらいになると、名前の由来とかを親に聞いてこい、みたいな宿題とかが出た様な気がします。
もし子供が出来るようなことがあれば、名前が重荷にならない様にしてあげたいなぁ、と思っていました。
とくに女子の名前は「美しさ」「可憐さ」「清純さ」「華麗さ」など、本人の物理的な身体的特徴や、メンタリティとのギャップなんかが本人を苦しめることもあるのかなぁと思う節もあり、気をつけないと、と勝手に考えていました。
男の子だとどうなんだろう?名前で苦しむことってどのくらいあるのだろうか?なんて事を夫と考えたりしています。
タイトルのセリフは、少佐がバイオレットにむけて言ったセリフですが、「その名が似合う人になってほしい」、という願いは親になってみると凄く理解できる心情ですね。
自分の事を思い返せば、自分が名前にふさわしい人になっているか否か、なかなか分かりません。思春期なんて、「私は名前負けしてる!」と思い込んでいましたし、しばらくカウンセリングに通っていた頃も自分の名前と自分の性格は正反対だと思った事もあります。
よくよく考えたら、名前は気がついたら付いていて、自分とは別人格の親から与えられたものなんですよね。しかも勝手な願いが込められている。子供自身が生きていく上で、どんな経験をしてその名と付き合って行くかは、結局は子供の受け止め方次第な所もあるのかもしれません。
でも、その名がきっかけとなって素敵な出会いを得ることもあるでしょう。(私はあったと思う。)
名に似合う人になろうという目標のような、道しるべのようなものにもなりうる可能性があるかもしれません。
そんな人生の節々に寄り添う名付けができたなら、とても素敵なことですよね。